I
(接助)
活用語の已然形に接続する。
(1)逆接の確定条件を表す。 実際に起こった事柄を条件としてあげ, その条件のもとでは, 反対の結果が現れることを表す。 が。 けれども。

「子は京に宮づかへしければ, まうづとしけれ~, しばしばえまうでず/伊勢 84」「格子をあげたりけれ~, 守, 心なしとむつかりて, おろしつれば/源氏(帚木)」

(2)一定の条件を示して, その条件のもとでは, それと背反関係にある事態がいつも起こることを表す。 たとえ…たとしても。

「二人行け~行き過ぎかたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ/万葉 106」「いにしへの古体の鏡は…人てふれね~, かくぞあかき/大鏡(後一条)」

〔現代語では, 「といえど」「と思えど」など, 限られた言い方の中でしか用いられない。 「暑いといえ~, 我慢できないことはない」「言うまいと思え~今日の暑さかな」〕
II
(接頭)
(1)名詞や形容詞に付いて, まさにそれに相当する意であることを強調する。

「~まんなか」「~ぎつい」

(2)名詞・形容詞・形容動詞などに付いて, ののしる気持ちをこめる。

「~根性」「~えらい」「~あほう」

(2)は近世上方の俗語に由来。 現在でも, (2)は関西方面に主として用いられている〕
III
「と」の濁音の仮名。 歯茎破裂音の有声子音と後舌の半狭母音とから成る音節。
〔奈良時代までは, 上代特殊仮名遣いで甲乙二類の別があり, 発音上区別があったとされる〕
IV
ど【努】
永字八法(エイジハツポウ)の第三筆の縦画。
V
ど【土】
(1)つち。 どろ。
(2)土地。 国。 世界。 また, 仏土。

「彼の不退の~に往生し/平家 10」

(3)五行の第三。 季では土用, 方位では中央, 色では黄色, 十干では戊(ツチノエ)・己(ツチノト), 五星では土星にあてる。
(4)七曜の一。 「土曜」の略。
VI
ど【度】
※一※ (名)
(1)物事の適当な程合い。 程度。 限界。

「~を過ごす」「~を越した冗談」「親密の~を増す」

(2)回数。 たび。
(3)目盛り。

「はかりに~を刻む」

(4)数量・程度などを表す単位。 (ア)温度の単位。
→ 列氏温度
(イ)角の単位。 全円周を三六〇等分し, その一単位に当たる中心角の大きさを一度とする。 (ウ)経度・緯度の単位。 (エ)眼鏡のレンズの(屈折率の)強さを表す単位。 焦点距離をメートルで表した数の逆数で示す。 「~の強い眼鏡」「~が進む」(オ)音程の単位。 全音階を基準としてその各段階の間の音程の大きさを表す。 完全, 長・短, 増・減などの区別がある。 (カ)アルコール飲料のアルコール含有度の単位。 温度一五度の時に原容量の中に含まれるエチルアルコールの容量をパーセントで表す数に「度」をつけて呼ぶ。
※二※ (接尾)
助数詞。 回数を数えるのに用いる。

「二~あることは三~ある」

~が過・ぎる
普通の程度をはなはだしく超える。

「冗談にしては~・ぎている」

~を失・う
あわてて平生の調子を失う。 うろたえて取り乱す。

「突然のことに~・う」

VII
ど【弩】
「石弓(イシユミ){(1)}」に同じ。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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